山形県であれば、酒田の方は別として会津からは車で十分移動が可能だが、仕事で行く場合はなるべく列車を使うようにしている。疲れていて事故を起こしたりしたら相手方に迷惑がかかるからだ。というわけで、初めての山形新幹線。内部は在来線の特急と変わらない印象だったが、外見はやっぱり新幹線。立派です。さすがに乗り心地もよい。
今回、何か拠無い事情があって僕にお鉢が回ってきたのだとは思うが、隣県なのに県大会の審査をすることになり、かなり複雑な心境。しかし、東北大会でいつもすばらしいお芝居を見せてくれていたT先生(現在校長先生です)からの依頼でもあり、断れなかったよなあ、これでいいんだよなあ、などと自分に言い聞かせながら、あっという間に村山市に着いた。旧楯岡駅、新幹線の開通に合わせて村山駅という名前になった。そのせいではないと思うが、ホームから出口に向かおうとするとよくわからない案内板が!出口はどこだ!どっちに行けばいいのだ!両方の矢印の間をまっすぐに行けばよいのか!(写真参照)ただでさえ不安な僕は大いに幻惑されたのでした。
階段を上り、改札口に向かって行くと、頭上に大きなわらじが現れた。よく見ると「楯岡荒町町内会・荒町の大わらじ」と書いてある。村山市の松岡俊三代議士が東京の浅草寺に奉納したのが始まりらしい。2002年に「むらやま祭り」で披露された後、駅に掲げられたようです(ネット情報)。見上げているうちに、底知れぬ圧力を感じ、立ちすくんでしまった。やっぱり断ればよかったのかな・・・と後悔しながら会場へ。
午後から始まるゆったりの日程の県大会。のんびりとしたロケーションに位置する「村山市民会館」に入ると、どこか懐かしい雰囲気の会館で、準備万端の様子で先生方が迎えてくれました。簡単な打ち合わせをして、いざ開会式へ。地区大会とはまた違った緊張感の中、大会は始まったのでした。例によって作品についてのコメントはしないけれど、今回も大変勉強になりました。ご一緒した多摩美術大学の加納豊美先生には、舞台機構のすべてを舞台創りの計算の中に入れなければならないことを学ばせていただきました。もちろんハコによって舞台機構は異なるので、その都度きちんと演出を練り直さなければならない。これまでの舞台創りの過程で、舞台機構への配慮またはその利用、という視点は、少なくとも僕には欠けていたもの。また、東北芸術工科大学の渡部泰山先生の、演劇のすそ野を支える文化全般に対する豊かな知識・教養、見識の高さには驚かされました。この経験もいつか福島県の高校演劇に還元したいなあと考えている。
さくらんぼ東根温泉の宿で石風呂(薬石を敷き詰めたサウナみたいなもの)に入り疲れを癒しながらの観劇12本。福島県大会が近付いているので焦りもあったが、とても充実した3日間でした。山形県の顧問の先生方、ありがとうございました。(M)
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